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2022.2.7[MON]

【マッチレポート】NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 第5節

【マッチレポート】NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 第5節

NTT JAPAN RUGBY LEAGUE ONE 2022 第5節

アウェーの洗礼、あるいは、ショートウィークの試練か。

  

3週遅れの開幕戦でNTTドコモレッドハリケーンズ大阪に快勝してから中5日。今季初の首都圏への遠征試合を、日曜日→土曜日という「ショートウィーク」で迎えたブルーレヴズ。場所は駒沢陸上競技場。相手は東芝ブレイブルーパス東京。

「ショートウィークではありましたが、いい準備はしっかりできました。自信を持って臨みました」

堀川隆延監督はそう言い切ったが、今季初の遠征試合は、試合開始から暗転した。

 

ブルーレヴズのキックオフで始まった試合は、0分、ブルーレヴズが相手のタックルを受けてノックオン。そのスクラムから連続攻撃を許し、3分、先制トライを許してしまう。

駒沢での試合は2014年12月のトップリーグ・キヤノンイーグルス戦以来7年2カ月ぶり。リーグワン始まって初の遠征試合で慣れない会場。初戦を終えたばかりでのショートウィーク。堀川隆延監督も大戸裕矢キャプテンも「言い訳にはならない」と口を揃えたが、少なくとも有利ではない条件が重なった中で迎えた試合。つまり、ブルーレヴズは逆境の中で、厳しい条件の中でどれだけ戦えるかを問われる試合だった。

 

だがブルーレヴズはその後もリズムを取り戻すことができなかった。

先制トライを奪われた直後、キックオフからのリターンを許し、ノーホイッスルトライを献上。7分、13分にもインゴールを明け渡し、開始からわずか15分で0-28という大きなビハインドを負ってしまう。

 

「最初のトライを取られて、一言で言うと、パニックになってしまった」と堀川監督は言った。厳しい条件で迎えた前週のレッドハリケーンズ戦に完勝したからこそ、逆境に強い自分たちを再確認して、自信を持って臨んだからこそ、序盤で予想外の展開になった時にナイーブな反応を見せてしまったのか。

 

司令塔のSO 清原選手が振り返る。

「前半の最初の入りで、相手の大きなFWのフィジカルに対して受けてしまって、プレッシャーをかけられて、ディフェンスがラックサイドに寄ってしまって相手の13番、14番の強いランナーにフリーでボールを持たせてしまった。1本目のトライを取られた後で、リーダーの声かけが足りなくて、ちょっとフワフワしてる感じがありました。しっかりハドルを組んで話し合ったつもりだったんですが……」

 

それでも、4連続トライを奪われた後で、ブルーレヴズはようやく目が覚めた。

NO8 スミス選手のディフェンスの絡みからブレイブルーパスのアタックにじわじわとプレッシャーをかける。ボールを奪えばSH 矢富選手の仕掛けからFL ナイサラニ選手、CTB タヒトゥア選手、鹿尾選手がゲインラインにアタック。22分、スミス選手のアタックでPKを得ると、ショットを狙わずにタッチキックからラインアウトへ。もう一度PKを得ると再びタッチキック。そして右ゴール前のラインアウトからレヴズはみごとなアタックを見せる。

 

右ゴール前のラインアウトからタヒトゥア選手、PR 西村選手、LO 大戸選手がボールを持つと次々と前進。さらにタヒトゥア選手、HO 平川選手、大戸選手、CTB 鹿尾選手が縦にボールキャリーしては相手ディフェンスを集める。さらにナイサラニ選手が出たところで、9次攻撃でボールを持ったのがFB グリーン選手。鋭いステップで相手ディフェンスを外のスペースに置き去りにすると、鮮やかに切れ込んでゴールポスト真下にトライ。WTB 奥村選手のコンバージョンも決まり7-35と追い上げる。

しかしこの日のブレイブルーパスは、集中力と復元力が本当に素晴らしかった。直後の28分にもトライを決め、7-35と差を広げられてしまう。

 

とはいえ、ブルーレヴズに守る考えはなかった。前半タイムアップのホーンが鳴った40分、自陣22m線付近でボールを獲得すると迷わずアタック。ハーフウェー付近まで陣地を戻したところで反則を犯し、ブレイブルーパスが再びPKから攻め込むが、ディフェンスでPKを得ると今度はスミス選手がタップキックから速攻。結局はノックオンでハーフタイムとなったが、攻め続ける姿勢を示したアタックだった。

 

「あの時点ではまだ4トライ差、射程圏だと思っていたし、前半のうちにひとつ縮めておきたいと思ってトライを取りに行きました」(大戸キャプテン) この場面ではトライに繋がらず、前半は7-35でハーフタイム。だが、そのアタックマインドはきっと次に生きるはずだ……。

 

風上に回った後半も、入りは厳しかった。4分、自陣ゴール前からのキックにカウンターアタックを浴び、ブレイブルーパスにトライを決められ7-40。次のキックオフから相手ゴール前に攻め込み、相手にイエローカードが出て数的優位のチャンスを得るが、その優位性も簡単には活かせない。タヒトゥア選手、ナイサラニ選手、途中出場のWTB 中井選手がタテをつくが、あと一歩のところでトライラインには届かない――。

ようやくトライラインをこじあけたのは25分だ。 相手ノックオンで得た敵陣22m線付近のスクラムからタヒトゥア選手がタテにどかん。さらにフェイズを重ねたところで途中出場でピッチに入ったFL 舟橋選手が相手タックルをかいくぐってゲイン、そこから大戸キャプテンへ、さらにスミス選手へと連続オフロードパスを鮮やかに通り、みごとなトライを返すのだ!14-40。

 

だが相手もホームの意地をみせる。強いフィジカルでプレッシャーをかけておいて、強いランナーにボールを集め、28分、、30分、、35分に立て続けにトライを重ね、14-59まで点差は広がった。

 

それでもブルーレヴズにあきらめの文字はなかった。 キックオフのタッチに出そうなボールを奥村選手が跳び上がってボールをタップバックして活かす。

 

終了直前、相手ゴール前PKからアタックをかけ、タヒトゥア選手がトライ。

さらにホーンが鳴った後のキックオフからも相手パスをインターセプトした奥村選手が相手の追走を振り切り70m独走トライ。80分走り続けた時間に、加入1年目のルーキーながら「ポスト五郎丸」と期待される奥村選手の激走。そしてコンバージョンが決まったところでフルタイムの笛は鳴った。 ファイナルスコアは26-59。トライ数は4-9。ブルーレヴズのリーグワン2戦目、初の遠征試合は勝点0-5の完敗に終わった。

「中5日とかそういうことは関係なく、ブレイブルーパス東京が素晴らしいゲームをしたということ。スキルがどうこうではない、我々の弱さがあった」 そう振り返った堀川監督は、こう続けた。 「この負けをどう次に活かすかをチームとして考えて、どう答えを出すか。この敗戦を成長するきっかけにしたい」

 

ここまで試合が少なかったことを言い訳にするつもりはない。むしろ多くのことを学べたと捉えたい。1本取られても動揺する必要はない。少ないチャンスでトライを取りきる力を証明できたではないか。自分たちの強さと弱さを知ったからこそ、次に向けてもっと強くなれるはず。

次戦はBye Week明けの2月19日(土)、ヤマハスタジアムに横浜キヤノンイーグルスを迎え撃つ。進化したブルーレヴズの姿を、きっと見せてくれるはずだ。